ハンドブック:PPC64/Portage/ツール
dispatch-conf
dispatch-conf は ._cfg0000_<name> ファイルのマージに役立つツールです。._cfg0000_<name> ファイルは Portage が CONFIG_PROTECT 変数でプロテクトされているディレクトリーのファイルを上書きしたい時に生成されます。
dispatch-conf を使うと、ユーザーはすべての変更を追跡しつつ設定ファイルへの更新をマージできます。dispatch-conf は設定ファイル間の差分をパッチとして、または RCS リビジョン管理システムを使用して保管します。これはつまり、誰かが設定ファイルの更新中にミスをしたとしても、管理者はいつでもそのファイルを以前のバージョンに差し戻せるということです。
dispatch-conf を使用すると、ユーザーは設定ファイルをそのままにしておくか、新しい設定ファイルを使うか、現在のものを編集するか、または変更箇所を対話的にマージするか尋ねられます。また、dispatch-conf にはいくつかの素晴らしい追加機能もあります:
- コメントの更新のみを含む設定ファイルの更新を自動的にマージする。
- スペースの数のみが異なる設定ファイルを自動的にマージする。
まず /etc/dispatch-conf.conf を編集してから archive-dir 変数で参照されているディレクトリーを作成します。それから dispatch-conf を実行します:
root #
dispatch-conf
dispatch-conf を実行すると、変更された各設定ファイルが一つずつ検討されます。現在の設定ファイルを新しいもので更新(置き換え)して次のファイルに進むには u を押します。新しい設定ファイルを消去(削除)して次のファイルに進むには z を押します。n キーは dispatch-conf に次のファイルにスキップするよう指示します。これを使ってマージを未来に延期することもできます。すべての設定ファイルが済むと dispatch-conf は終了します。同様に、いつでも q でアプリケーションを終了させることができます。
詳細については dispatch-conf の man ページを調べてください。現在の設定ファイルと新しい設定ファイルを対話的にマージしたり、新しい設定ファイルを編集したり、ファイル間の差分を検査する方法などが説明されています。
user $
man dispatch-conf
quickpkg
quickpkg を使うと、既にシステムにマージされたパッケージのアーカイブを作ることができます。それらのアーカイブはビルド済みパッケージとして利用できます。quickpkg の実行は簡単です: アーカイブするパッケージの名前を付け加えるだけです。
たとえば curl、orage、そして procps をアーカイブするには:
root #
quickpkg curl orage procps
ビルド済みパッケージは $PKGDIR (デフォルトでは /var/cache/binpkgs/) に保管されます。これらのパッケージは $PKGDIR/CATEGORY に配置されています。