exFAT
exFAT (Extended File Allocation Table) は、マイクロソフトがつくった、USB スティックメモリのようなフラッシュメモリ記憶媒体に合わせたファイルシステムです。Gentoo Linux システムにおいては、FUSE モジュールを通して対応します。
exFAT ファイルシステムは長らく、その仕様がプロプライエタリで公表されていなかったため、可用性の低い状態が続いていました。しかしながら、ネイティブ exFAT ドライバ実装を備えた Linux カーネル 5.7 のリリースによって、この状況は改善されました。[1]
インストール
カーネル
カーネル 5.7 以降
カーネルでの exFAT サポートを有効化してください:
File systems --->
DOS/FAT/EXFAT/NT Filesystems --->
<*> exFAT filesystem support
以前のカーネルのための FUSE システム
カーネルの、Filesystem in Userspace (FUSE) サポートを有効にします:
File systems --->
<*> FUSE (Filesystem in Userspace) support
Emerge
カーネル 5.7 以降
sys-fs/exfatprogs パッケージをインストールしてください:
root #
emerge --ask sys-fs/exfatprogs
以前のカーネルのための FUSE システム
FUSE exfat パッケージのインストール:
root #
emerge --ask sys-fs/fuse-exfat
ファイルシステムの作成や mount コマンドでの操作には、sys-fs/exfat-utils パッケージのインストールが必要です:
root #
emerge --ask sys-fs/exfat-utils
使い方
フォーマット
カーネル 5.7 以降
exFAT ファイルシステムを作成するには、mkfs.exfat を使用してください:
user $
mkfs.exfat
exfatprogs 1.0.4 Usage: mkfs.exfat -L | --volume-label=label Set volume label -c | --cluster-size=size(or suffixed by 'K' or 'M') Specify cluster size -b | --boundary-align=size(or suffixed by 'K' or 'M') Specify boundary alignment -f | --full-format Full format -V | --version Show version -v | --verbose Print debug -h | --help Show help
例えば、リムーバブルデバイス /dev/sde1 に、ボリュームラベル「Flash」を付けてファイルシステムを作成するには:
root #
mkfs.exfat -L Flash /dev/sde1
以前のカーネルのための FUSE システム
exFAT ファイルシステムの作成には、mkfs.exfat (または、別名である mkexfatfs)コマンドを実行します:
user $
mkfs.exfat
mkexfatfs 1.2.1 Usage: mkfs.exfat [-i volume-id] [-n label] [-p partition-first-sector] [-s sectors-per-cluster] [-V] <device>
例えば、リムーバブルデバイス /dev/sde1 に、ボリュームラベル「Flash」を付けてファイルシステムを作成するには:
root #
mkfs.exfat -n Flash /dev/sde1
マウント
カーネル 5.7 以降
ネイティブサポートがあるので、通常の mount コマンドは完璧に機能します:
root #
mount /dev/sde1 /mnt/flash
以前のカーネルのための FUSE システム
ファイルシステムをマウントするには mount.exfat-fuse コマンドを実行:
root #
mount.exfat-fuse
FUSE exfat 1.0.1 Usage: mount.exfat-fuse [-d] [-o options] [-v] <device> <dir>
例えば、前記の例で作成したファイルシステムをマウントするには:
root #
mount.exfat-fuse /dev/sde1 /mnt/flash
アンマウントはただ、umount コマンドで:
root #
umount /mnt/flash
完全性チェック
exFAT ファイルシステムの完全性を調べるには、fsck.exfat を実行します:
root #
fsck.exfat /dev/sde1
トラブルシューティング
macOS との互換性
ExFAT でフォーマットされたディスクを macOS から読めるようにするためには、ディスクは GUID パーティションテーブルを使用し、Microsoft basic data フラグが設定されている必要があります。
関連項目
- FAT — 当初は MS-DOS (および後の NT 以前の Microsoft Windows) で使用するために作られたファイルシステム。
- NTFS — Windows および Windows ベースのオペレーティングシステムのための、Microsoft によるプロプライエタリなディスクファイルシステムです。
- Ext4 — オープンソースのディスクファイルシステムで、extended filesystem シリーズの最新バージョンです。