ハンドブック:X86/インストール/導入
以降のハンドブックのネットワークに関する部分は、OpenRC init システムを実行していて、ネットワーク管理システムとして netifrc を利用しているシステムのために、「高度な」ネットワーク設定について記述しています。
systemd を実行しているシステムについては、systemd の記事のネットワークの箇所を確認すべきです。
はじめに
このネットワークガイドは、ユーザーがシステム設定を正しく完了し、ハードウェアのインターフェース名を特定していることを前提にしています。ネットワークインターフェース名は、ネットワークカードがシステム上のどのバスに存在するかによって命名されます。そのため、インターフェース名は eno0、ens1、wlan0、enp1s0 などの変種である可能性があります。各システムはこれとわずかに異なるインターフェース名を持つかもしれません。以下の内容ではインターフェース名は eth0 に設定されていると仮定していますが、前述したような名前でも動作します。
ネットワークカードの設定を始めるなら、まずGentooのRCシステムにそのことを伝えましょう。これは、net.lo から net.eth0 (もしくは他の、システム上のネットワークインターフェース名)へのシンボリックリンクを /etc/init.d に作成することで行うことができます。
root #
cd /etc/init.d
root #
ln -s net.lo net.eth0
これでもう、GentooのRCシステムはそのインターフェースについて知っているわけです。さらに、この新たなインターフェースをどのように設定するのかも教える必要があります。全てのネットワークインターフェースの設定は /etc/conf.d/net ファイルにあります。下に示すのは、DHCPと静的アドレスのサンプル設定です。
# DHCPを使う場合
config_eth0="dhcp"
# CIDR記法で静的IPを設定する場合
config_eth0="192.168.0.7/24"
routes_eth0="default via 192.168.0.1"
dns_servers_eth0="192.168.0.1 8.8.8.8"
# ネットマスクによる記法で静的IPを設定する場合
config_eth0="192.168.0.7 netmask 255.255.255.0"
routes_eth0="default via 192.168.0.1"
dns_servers_eth0="192.168.0.1 8.8.8.8"
何も設定されていないインターフェースは DHCP を使うと推定されます。
CIDRはClassless InterDomain Routingの略称です。元々、IPv4アドレスはA、BそしてCに分類されていました。初期の分類システムはインターネットが大人数で使用されることを想像していなかったので、一意的なアドレスの枯渇の危機にあります。CIDRは1つのIPアドレスが多くのIPアドレスを示すようにする取り組みです。CIDRのIPアドレスは、IPアドレスの最後がスラッシュとそれに続く数字で終わることを除けば、普通のIPアドレスに似ています(例えば192.168.0.0/16)。CIDRはRFC 1519で説明されています。
インターフェースの設定が完了したら、次のコマンドで開始または停止できます。
root #
rc-service net.eth0 start
root #
rc-service net.eth0 stop
ネットワークのトラブルシューティングをするときは、/var/log/rc.log を見てください。/etc/rc.conf 内で rc_logger 変数を
NO
に設定していなければ、ブート試行についての情報がこのログファイルに保存されるでしょう。ネットワークインターフェースが正常に停止と開始を行えることを確認したら、次のステップは Gentoo 起動時に開始されるように設定することです。このように:
root #
rc-update add net.eth0 default
root #
rc
最後の rc コマンドは、現在のランレベルで開始していないすべてのスクリプトを開始するよう Gentoo に指示します。