Xfce
Xfce は高速で、かっこよく、ユーザフレンドリーであるように構築された、軽量なデスクトップ環境です。
前提条件
プロファイルを選択する
プロファイルの変更を実行する前に、関連するドキュメントを読んでください。
基本的な desktop プロファイルを使用することで、Xfce にとって良いデフォルトのセットが得られるでしょう。他のプロファイルも使用できますが、依存関係と使いやすさを天秤にかけて、これが良いでしょう。desktop プロファイルを選択するには:
root #
eselect profile set default/linux/amd64/23.0/desktop
不要な依存を回避する
Xfce を emerge すると、app-text/poppler パッケージが依存関係としてインストールされるでしょう。デスクトッププロファイルでは、このパッケージはデフォルトで qt5
USE フラグを使用しているため、Xfce には不要かもしれない Qt の依存関係をインストールすることになります。これを回避する方法のひとつは、poppler に対してこの USE フラグを無効化することです:
app-text/poppler -qt5
もちろん、このフラグをグローバルでアンセットしたい場合は、/etc/portage/make.conf に -qt5
を追加しても構いません。
xfce4-notifyd
このステップは x11-misc/notification-daemon の代わりに xfce-extra/xfce4-notifyd をインストールするための省略可能なステップです。通知デーモンの選択が重要でない場合は、このセクションは読み飛ばしてください。
xfce-base/xfce4-meta を emerge すると、virtual/notification-daemon が依存パッケージとして取り込まれるでしょう。この仮想依存パッケージは、通知デーモンとしての役割を担う適切なソフトウェアをユーザが選択し、それを notification-daemon として Xfce に確実に提供できるように設計されています。
デフォルトでは、virtual/notification-daemon は GNOME の x11-misc/notification-daemon パッケージを持ち込むことでこの依存関係を解決するでしょう。notification-daemon がまだインストールされていない場合、Xfce ユーザは xfce-extra/xfce4-notifyd を使用することを好むかもしれません。
Xfce を emerge する前に xfce-extra/xfce4-notifyd をインストールしておくと、仮想パッケージ virtual/notification-daemon は xfce4-notifyd を使用し、他のパッケージを取り込むことをしなくなるでしょう。xfce4-notifyd が world ファイルに追加されるのを回避するためには、--oneshot
オプションを使用してください:
root #
emerge --ask --oneshot xfce-extra/xfce4-notifyd
それでは、インストールに進んでください。
インストール
USE フラグ
USE flags for xfce-base/xfce4-meta The Xfce Desktop Environment (meta package)
+svg
|
Add support for SVG (Scalable Vector Graphics) |
archive
|
Install app-arch/xarchiver. |
calendar
|
Add support for calendars (not using mcal!) |
cdr
|
Add support for CD writer hardware |
editor
|
Install the app-editors/mousepad text editor. |
image
|
Install the media-gfx/ristretto image viewer. |
media
|
Install the media-video/parole media player. |
minimal
|
Install a very minimal build (disables, for example, plugins, fonts, most drivers, non-critical features) |
mpd
|
Install the media-sound/xfmpc MPD client. |
pulseaudio
|
Add sound server support via media-libs/libpulse (may be PulseAudio or PipeWire) |
remote-fs
|
Install the x11-misc/gigolo frontend to manage remote filesystem connections. |
search
|
Install the dev-util/catfish search tool frontend. |
upower
|
Enable power management support |
Emerge
おおよそ完全なデスクトップ環境を得るには、Xfce パッケージのデフォルトセットのために /etc/portage/make.conf を emerge してください:
root #
emerge --ask xfce-base/xfce4-meta
xfce-base/xfce4-meta パッケージは以下のユーザ向けアプリケーションに加えて、いくつかのライブラリとシステムソフトウェアを提供するでしょう:
パッケージ | 説明 |
---|---|
x11-terms/xfce4-terminal | Xfce とよく統合された端末エミュレータで、標準の xterm プログラムより「親しみやすい」です。 |
xfce-base/xfce4-panel | アプリケーションランチャ、パネルメニュー、ワークスペーススイッチャー等を備えたデスクトップパネルです。 |
xfce-base/xfce4-settings | Xfce デスクトップ環境のための構成設定システムで、設定ダイアログとツールを提供します。 |
xfce-base/thunar | Thunar は Xfce のファイルマネージャです。 |
xfce-base/xfce4-appfinder | アプリケーションファインダ。 |
xfce-base/thunar-volman | リムーバブルメディアとドライブを管理します。 |
xfce-base/tumbler | Thunar 用のファイルプレビューワ。 |
xfce-base/xfce4-power-manager | 電源使用状況を監視し、管理するアプリケーション (特にラップトップで重要です)。最高パフォーマンスモードか省電力モードかを選びます。スクリーンの明るさを調節し、ハイバネート、サスペンド、シャットダウンのアクション (折り畳まれたり、ボタンが押されたりしたときの動作) をセットアップします。バッテリが一定レベルに達したときに警告を発したり、マシンの電源を切ったりすることができます。バッテリの状態と充電状態を表示し、明るさを調節するためのパネルプラグインを含んでいます。 |
xfce-extra/xfce4-pulseaudio-plugin | パネルのための音量調節。pulseaudio を使用しないシステムでは media-sound/volumeicon が選択肢に入るかもしれません。 |
xfce-base/xfce4-meta によってインストールされるすべてのパッケージを確認するには、packages.gentoo.org 上の当該パッケージの Dependencies タブを確認してください。
厳密には xfce-base/xfce4-meta を使用する必要はありません。Xfce は欲しい部品だけをインストールすることで「カスタムビルド」することができますが、そのためには、何が必要なのかについてある程度の知識が必要であることに注意してください。
追加のソフトウェア
Xfce プロジェクトには多くの追加機能が存在し、そのうち特筆すべきものとして次のソフトウェアがあります:
パッケージ | 説明 |
---|---|
app-cdr/xfburn | CD 書き込みアプリケーション。 |
app-editors/mousepad | 軽量なテキストエディタ。 |
x11-themes/xfwm4-themes | いくつかのウィンドウマネージャテーマ。 |
xfce-extra/thunar-archive-plugin | アーカイブを操作するための Thunar 向けプラグイン; app-arch/file-roller を使用しています。 |
xfce-extra/xfce4-battery-plugin | バッテリー残量のパーセンテージ、残り時間、電源 (AC かバッテリーか)、ファンステータス、警告を表示し、特定の電力レベルに達したときにコマンドを実行するように設定することもできます。ラップトップのバッテリーが切れそうになったときに、ハイバネートモードに移行するために使用することができます。 |
xfce-extra/xfce4-mount-plugin | /etc/fstab にあるデバイスをワンクリックでマウントします。 |
xfce-extra/xfce4-sensors-plugin | CPU 温度、ファン回転数、ハードディスク温度、マザーボード電圧などのハードウェアセンサを監視します。 |
xfce-extra/xfce4-verve-plugin | パネルに埋め込まれた小さなコマンドライン; 新しい端末を開くよりも素早くコマンドを実行できます。 |
これらは Gentoo リポジトリで利用可能なパッケージのほんの一部です。xfce-extra カテゴリから気になるパッケージを確認するには、xfce-extra を見るか、eix を利用してください (eix --category xfce-extra)。さらなる情報については https://www.xfce.org/projects/ もお読みください。
以下のアプリケーションは、Xfce の基本的なデスクトップ環境を取り囲むようにして相性良く機能します:
パッケージ | 説明 |
---|---|
x11-misc/alacarte | GNOME のメニューエディタで、Xfce でも使えます。 |
x11-terms/tilda | quake 風の軽量な端末エミュレータ。 |
使い方
Xfce を起動する
Xfce は、ログインした後にターミナルから実行することもでき、ログイン後に自動で起動することもでき、ユーザに挨拶してログイン詳細の入力を求める、グラフィカルなディスプレイマネージャによって開始することもできます。
ディスプレイマネージャを使わずに Xfce を開始する
startx と startxfce4 はディスプレイマネージャを使わずに Xfce を開始するためにすぐに使える選択肢の 2 つです。
startx
startx を使用するときは、~/.xinitrc ファイルを以下の内容で作成してください:
exec startxfce4
認可または権限の問題が発生した場合は、トラブルシューティングのセクションを見てください。
startxfce4
Xfce4 デスクトップを起動するには、コマンドラインにただ startxfce4 とだけ入力し、エンターキーを押してください:
user $
startxfce4
ディスプレイマネージャ
ディスプレイマネージャを使用して Xfce を開始することもできます。ディスプレイマネージャを設定するには、ディスプレイマネージャの記事を参照してください。
ほとんどのディスプレイマネージャは、利用可能なセッションを設定するために .desktop ファイルを使用します。以下はディスプレイマネージャを利用して Xfce を起動するのに使える desktop ファイルの例です:
[Desktop Entry]
Encoding=UTF-8
Name=Xfce4
Comment=Use this session to run Xfce 4 as desktop environment
Exec=/usr/bin/startxfce4
Icon=/usr/share/pixmaps/xfce4_xicon1.png
Type=Application
desktop ファイルは、ディスプレイマネージャーの適切な場所に配置できます。
設定
Xfce はデスクトップ環境であり、(ほぼ) すべてのユーザのニーズに合わせて調整することができます。この節ではよく行われる (一部はより挑戦的な) 側面の調整について取り扱います。
音量キー
音量キーを管理するためには、xfce-extra/xfce4-volumed-pulse をインストールしてください:
root #
emerge --ask xfce-extra/xfce4-volumed-pulse
pulseaudio を使用していないシステムには、media-sound/tudor-volumed が選択肢になるかもしれません。
または、xfce4-keyboard-settings を実行してカスタムキーを amixer にバインドすることもできます:
- volume up ボタン: amixer set Master 5%+
- volume down ボタン: amixer set Master 5%-
- mute ボタン: amixer set Master toggle
一貫した GTK 3 テーマ
Greybird テーマを使用するのがひとつの選択肢です。これは GTK 2、GTK 3、xfwm4、emerald、そして metacity をサポートしています:
root #
emerge --ask x11-themes/greybird
Xfce メニュー -> 設定 -> 概観 に移動してください。それか、xfce4-appearance-settings を実行してください。「スタイル」のリストから「Greybird」を選択してください。
これで GTK 2 と GTK 3 アプリケーションは一貫した見た目になるはずです。
GTK クライアントサイドデコレーション
XFCE はデフォルトでは GTK クライアントサイドデコレーションを無効化しています。有効化したい場合は、GTK_CSD=1 環境変数を設定することで有効化できます。Firefox などのアプリは、自身のタイトルバーを隠すためにクライアントサイドデコレーションを使用しています。
他のテーマ
Portage で利用可能な、XFCE と互換性のある他のテーマは、以下のリストで emerge することができます:
root #
emerge --ask x11-themes/clearlooks-phenix x11-themes/gnome-themes-standard x11-themes/light-themes x11-themes/murrine-themes x11-themes/shiki-colors x11-themes/tactile3 x11-themes/zukini
トラブルシューティング
垂直ウィンドウスナッピングを有効化する
多くの現代的なデスクトップ環境は、デフォルトで垂直ウィンドウスナッピングが有効になっています。これは Xfce でも可能ですが、デフォルトでは有効化されていません。有効化するには、設定 → ウィンドウマネージャー → 詳細と移動してください。
- 「画面の境界にスナップする」チェックボックスがチェックされていることを確認してください。
- 「画面端でのワークスペースの循環」の下にあるチェックボックス群がチェックされていないことを確認してください。これらは垂直ウィンドウスナッピングと干渉します。
チェックボックスの設定が完了したら、ウィンドウを画面の右側または左側にドラッグして、ウィンドウを画面幅の 50% にリサイズさせることができるはずです。
典型的な Super+← または Super+→ によってこの挙動を発生させるために、キーボードショートカットを設定することができます。設定 → ウィンドウマネージャー → キーボードタブに移動してください。
「ウィンドウを画面左にタイル表示」および「ウィンドウを画面右にタイル表示」アクションが、それぞれ Super+← および Super+→ キーの組み合わせを持つように設定してください。
オーディオミキサーが pavucontrol バイナリが無いと文句を言う
パネルのスピーカー (オーディオ) アイコンをクリックして、オーディオミキサー… を選択すると、"pavucontrol バイナリが見つかりません" というメッセージが表示されます。
解決策は、media-sound/pavucontrol をインストールすることです:
root #
emerge --ask media-sound/pavucontrol
Xfce4-screensaver がアンロックできない
Xfce-screensaver はデフォルトでは認証のために gnome-keyring を使用します。上のインストール方法を適用しても gnome-keyring はインストールされず、pam は /etc/pam.d/xfce4-screensaver にインストールされているデフォルトの設定でサービスを提供することができないでしょう。gnome-keyring をインストールするか、パスワードに関して system-auth を使用できるようにファイルを編集するべきです:
auth include system-auth
password include system-auth
認可または権限の問題
OpenRC プロファイルで xfce4 内で認可または権限の問題 (電源管理を開くことができない、またはサスペンド/ハイバネートができない、といった症状を含みます) に直面したときは、sys-auth/elogind がインストールされ適切に設定されていること、そして elogind
USE フラグがグローバルに有効化されていることを確認してください。
startx を使って起動する場合は、~/.xinitrc 内の行を次のように適切に置き換えてください:
exec dbus-launch --exit-with-session xfce4-session
モニタのサスペンド後に、デュアルモニタがミラーリング表示になる
この問題を解決するためには (少なくとも) 3 通りの方法があります。最初の方法は、デフォルトのモニタレイアウトプロファイルとしてディスプレイ設定を保存して、「新しいモニタが接続された」ときにプロファイルを有効化する方法です。新しいモニタが検出されたときにダイアログを表示するオプションもあり、利用できる場合はミラーリングではなくプロファイルがデフォルトとなるようにします。これらのオプションを見つけるには設定 -> ディスプレイ -> 詳細と移動してください。最初のプロファイルを保存する前に、忘れずにディスプレイ設定を構成してください。
2 番目の方法は、Xfce セッションにログインした後に xfsettingsd をキルする方法です。しかしながらこれはグローバルホットキーなど、一部の機能を利用できなくするでしょう。サービスをキルするカスタムスクリプトを作成して、それを自動起動アプリケーションのリストに追加することができます。
3 番目の方法は、デスクトップまたはパネルに .desktop アイコンから実行できるカスタムスクリプトを作成し、モニタの電源が入るたびに毎回それを手動で実行する方法です。
xrandr コマンドを使用してモニタ ID を確認してください。
カスタムスクリプトは次のようなものになるでしょう:
xrandr --output HDMI-A-0 --right-of DisplayPort-0 --auto
関連項目
- Desktop environment — Gentoo で利用可能なデスクトップ環境の一覧を提供します。
- Xfce/Guide — 高速で軽量でフル機能のデスクトップ環境である Xfce への包括的なイントロダクションを提供します。