Cinnamon
- remove/replace "consolekit", see https://gitweb.gentoo.org/repo/gentoo.git/commit/sys-auth/consolekit?id=39ece3ff2467f0c1a3dc946767f3896d31055198
Cinnamon は、伝統的グラフィカルインターフェースを備えた、現代的なデスクトップ環境です。GNOME 2、LXDE、または Xfce のユーザには馴染み深いものと感じられるでしょう。Cinnamon は非常に良いグラフィックと機能的特徴を備えています。GNOME 3 の GNOME Shell からフォークされて、Linux Mint のために開発され、Gentoo では amd64 と x86 アーキテクチャで利用可能です。現時点では Wayland をサポートしていません。[1]
インストール
前提条件
Cinnamon は systemd 上でも、systemd の無い環境でもよく機能します。systemd への依存を含めずにインストールするには、eselect を使って、プロファイルを default/linux/amd64/23.0/desktop
のような Gnome を含まないものに切り替えてください。systemd を含めてインストールするには、default/linux/amd64/23.0/desktop/gnome/systemd
のような Gnome が有効化されたプロファイルを使用してください。いずれの場合も、アーキテクチャとバージョンは異なることがあります。
プロファイルの変更を実行する前に、関連するドキュメントを読んでください。
利用可能なシステムプロファイルのリストを取得するには:
root #
eselect profile list
... [21] default/linux/amd64/23.0 (stable) * [22] default/linux/amd64/23.0/systemd (stable) [23] default/linux/amd64/23.0/desktop (stable) [24] default/linux/amd64/23.0/desktop/systemd (stable) [25] default/linux/amd64/23.0/desktop/gnome (stable) [26] default/linux/amd64/23.0/desktop/gnome/systemd (stable) ...
OpenRC
OpenRC のシステムで、適切なシステムプロファイルを設定:
root #
eselect profile set default/linux/amd64/23.0/desktop
上記プロファイルを、対応するプロファイル番号を用いて指定することも可能です:
root #
eselect profile set 20
systemd のない Gentooの記事に説明があります。
systemd
Systemd のシステム上での Cinnamon には、 GNOME デスクトップ用プロファイルのうち systemd の付いたものを選びます:
root #
eselect profile set default/linux/amd64/23.0/desktop/gnome/systemd
文字列の末尾が
/gnome/systemd
であれば、システムアーキテクチャ (amd64
) とバージョン (23.0
) は異なっていても構いません。Xorg
Cinnamon を動作させるにはもちろん Xorg をインストールして設定しておく必要があります。この記事の内容で進める前に X サーバをセットアップしておいてください。必要であれば、Xorg Gentoo ガイドの startx を用いるの節で詳しく説明されているように、Xorg をテストしてください。
国際化
Cinnamon (および他のアプリケーション) は国際化されていて、多くの言語に対応しています。Gentoo の初期インストール中でなければ、make.conf 内で LINGUAS に適切な言語の値を追加してください:
LINGUAS="fr" # or en, de, it, es, etc.
USE フラグ
USE flags for gnome-extra/cinnamon A fork of GNOME Shell with layout similar to GNOME 2
+eds
|
Enable support for Evolution-Data-Server (EDS) |
+gstreamer
|
Add support for media-libs/gstreamer (Streaming media) |
+networkmanager
|
Enable net-misc/networkmanager support |
+nls
|
Add Native Language Support (using gettext - GNU locale utilities) |
gtk-doc
|
Build and install gtk-doc based developer documentation for dev-util/devhelp, IDE and offline use |
internal-polkit
|
Use Cinnamon's internal polkit agent instead of gnome-extra/polkit-gnome. This does not currently support multi-user fast switching. |
wayland
|
Enable dev-libs/wayland backend |
Python ターゲットに関する詳細は、Python プロジェクトの PYTHON TARGETS の記事をみてください。
icu
、pulseaudio
および gnome-keyring
USE フラグは Cinnamon の依存関係として必要です。これらがまだ設定されていない場合は、emerge --ask gnome-extra/cinnamon で package.use (または package.use/cinnamon) を作成または更新するか、他の方法で手動で USE フラグを設定してください。
Emerge
上のステップがすべて完了したら、Cinnamon を emerge するように Portage に指示してください:
root #
emerge --ask gnome-extra/cinnamon
net-libs/webkit-gtk のコンパイル時間は、特に古いハードウェアでは、非常に長くなることがあります。この問題は、このデスクトップシステムでソーシャルメディアの通知を受け取りたくない場合は、
gnome-online-accounts
USE フラグを取り除くことで解消することができます。システム設定
Cinnamon のテーマを見る前に、エンドユーザが直感的な方法でシステムを操作できるように、ブート時またはユーザの要求時にシステムが適切に Cinnamon を開始できるように設定して、適切な権限委譲設定を有効化してください。
systemd サービス
systemd では dbus を有効化する必要があります。systemd のページで詳しく解説されているように、systemctl を使用してください。
OpenRC サービス
dbus、openrc-settingsd、elogind
Xorg サーバと Cinnamon は dbus、openrc-settingsd、そして elogind サービスを必要とします。これらがシステムブート時に開始されるようにしてください:
root #
rc-update add dbus default
root #
rc-update add openrc-settingsd default
root #
rc-update add elogind boot
次に、これらのサービスを開始してください (システムを再起動する必要はありません):
root #
rc-service dbus start
root #
rc-service openrc-settingsd start
root #
rc-service elogind start
NetworkManager
NetworkManager は Cinnamon の依存ですが、ネットワークが初期の Gentoo インストール中に設定された場合は必要ありません。他のネットワークサービスと並行して動作させるべきではありません。NetworkManager を使用したい場合は、開始する前に、ネットワーク管理のための他のプログラムまたはサービスが無効化されていることを確認してください。例えばシステムが元々、ネットワーク接続を管理するために Gentoo の netifrc スクリプトを使用するように構成されていた場合、これらのネットワークサービスを無効化してください:
root #
rc-service net.eth0 stop
root #
rc-update del net.eth0 default
sys-fs/udev を使用している場合、ネットワークインターフェースは、アクティブなインターフェースに名前を付けるために予測可能なネットワークインターフェース名を使用しているでしょう。これは enp12s0、eno1、enp2s0 などのような名前を生成するでしょう。Gentoo による、systemd の依存を回避する udev フォークである sys-fs/eudev を使用している場合は、最初のネットワークインターフェース名は今でも eth0 と呼ばれることが多いでしょう。
他のネットワークサービスを削除したら、NetworkManager を追加してください:
root #
rc-service NetworkManager start
root #
rc-update add NetworkManager default
NetworkManager アプレットの無効化
NetworkManager を使用しない場合、Network Manager アプレットは開始に失敗し、このことは起動時に問題として表示されるでしょう。
アプレットを無効化するためには、システム設定 (System Settings) -> 設定 (Preferences) -> アプレット (Applets) と移動し、「ネットワークマネージャー」("Network Manager") を見つけて、マイナスボタンをクリックしてください。
Sudo
通常ユーザが Cinnamon からシステムを再起動またはシャットダウンするためには、ある設定がされた sudo が必要です。
まずは app-admin/sudo をインストールします:
root #
emerge --ask app-admin/sudo
次に、visudo コマンドで sudo 構成を修正してください:
root #
visudo
visudo は sudoers ファイルを生成または更新するために、デフォルトのテキストエディタを実行します。下のテキスト中の username
を、Cinnamon を使用する各ユーザのユーザ名で置き換えてください:
username ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/reboot
username ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/halt
username ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/poweroff
username ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/shutdown
あるいは、wheel グループに対して設定するには:
%wheel ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/reboot
%wheel ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/halt
%wheel ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/poweroff
%wheel ALL=(root) NOPASSWD: /sbin/shutdown
Polkit のルールとアクション
通常のユーザが Cinnamon から追加の高度な特権を必要とする操作を実行するためには、policy kit を構成しなくてはなりません。操作の一覧を取得するには pkaction を使用してください; 名前で何を表しているのか見て分かるはずです:
root #
pkaction
org.cinnamon.settings-daemon.plugins.power.backlight-helper org.cinnamon.settings-users org.cinnamon.settingsdaemon.datetimemechanism.configure org.freedesktop.ModemManager1.Contacts org.freedesktop.ModemManager1.Control org.freedesktop.ModemManager1.Device.Control org.freedesktop.ModemManager1.Firmware org.freedesktop.ModemManager1.Location org.freedesktop.ModemManager1.Messaging org.freedesktop.ModemManager1.USSD org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-network org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-wifi etc.
最も単純な方法は、wheel グループへの所属のみを確認することで、すべての操作を認可する方法です。例えば 55-allowing-all-actions.rules のような名前の、.rules 拡張子を持つ JavaScript ファイルを /etc/polkit-1/rules.d 内に作成してください:
polkit.addRule (function (action, subject)
{
if (subject.isInGroup ("wheel"))
{
return polkit.Result.YES;
}
});
一部の操作のみを認可するには、アクション名を列挙しなくてはなりません。wheel グループのユーザがシステムをサスペンド、ハイバネート、シャットダウンおよび再起動できるようにするには、55-allowing-actions.rules ファイルを次のように編集してください:
polkit.addRule (function (action, subject)
{
if (action.id == "org.freedesktop.upower.hibernate" ||
action.id == "org.freedesktop.upower.suspend" ||
action.id == "org.freedesktop.consolekit.system.stop" ||
action.id == "org.freedesktop.consolekit.system.restart" &&
subject.isInGroup ("wheel"))
{
return polkit.Result.YES;
}
});
様々なアクションを追加することができます: カラープロファイルを変更するもの、root として Nemo (Cinnamon ファイルマネージャ) を使用するもの、メディアをマウントおよびイジェクトするもの、画面バックライトを設定するもの、ネットワークマネージャを使用するもの、壁紙を変更するもの、などです。複数の polkit.addRule (function (action, subject){ … });
ブロックを並べて使用することもできますし、複数のファイルを追加することもできます。
/etc/polkit-1/rules.d/50-default.rules は既に存在します。新しく作成されたファイルの名前は、50-default.rules ファイルより後で処理されるようにするために、50 より大きい数、例えば 55 で始めるべきです。それより前に処理されてしまう、例えば 45 で始まるようなファイルを作成しないでください。
Cinnamon の起動
ログイン/ディスプレイマネージャを使用しない場合は、ユーザのホームディレクトリに Cinnamon を開始する .xinitrc ファイルを作成してください (D-bus も自動的に起動されるでしょう):
exec cinnamon-session
そして Xorg と Cinnamon を開始するために、ログイン後に startx を実行してください:
user $
startx
ディスプレイマネージャを使用する場合は、ディスプレイマネージャの指示に従ってください。
テーマ
Mint-X アイコン
デフォルトでは Cinnamon には Gnome アイコンが付属しています。Mint-X アイコンは GitHub にあります。Mint-X アイコンセットをダウンロード、展開して、/usr/share/icons に配置してください:
root #
mv 展開したアーカイブへのパス/mint-x-icons-master/usr/share/icons/Mint-X /usr/share/icons/Mint-X
次に、キャッシュを作成してください:
root #
gtk-update-icon-cache /usr/share/icons/Mint-X
新しいアイコンセットは Cinnamon コントロールセンターで選択できます。Mint-X アイコンは緑色ですが、Mint-X-Grey や Mint-X-Orange など、異なる色を持つ他のアイコンセットもインストールすることができます。これらのためのキャッシュも作成しておいてください。
色付きのアイコンセットは Mint-X アイコンセットに依存しています。他の色のアイコンセットを使用してもしなくても、Mint-X は常にインストールしてください。
デスクトップアイコンの文字色
Cinnamon バージョン 2.6.13 現在デスクトップアイコンの文字色は白であり、この節は古いバージョンの Cinnamon に適用されるものです……。が、Cinnamon のテーマ設定への良い導入として残しています。
Cinnamon デスクトップのアイコンの文字色はデフォルトでは黒ですが、これは必ずしも読みやすいとは限りません。この色を変更する手順は、システムが使用している GTK 3 のバージョンによって異なります。以下で現在使用しているバージョンを確認してください:
user $
emerge --info x11-libs/gtk+
- 3.13.3 より前のバージョンの GTK では、この設定はシステム全体でのみ変更することができます。/usr/share/themes/Adwaita/gtk-3.0/gtk.css ファイル (Adwaita は GTK に付属するデフォルトテーマです) 内の
@import
行の後に CSS ルールを追加することで、文字色を変更してください:
@import url("resource:///org/gnome/adwaita/gtk-main.css");
/* 追加した css ルール */
.nemo-desktop.nemo-canvas-item {
color: #fff; /* #fff は web での白色の表記です、#333 だと暗い灰色になります */
}
.nemo-desktop.nemo-canvas-item:selected {
background-color: alpha (#fff, 0.2); /* 0.2 は透明度です */
}
- 2 番目のルールは選択中のデスクトップアイコンに影響し、別の背景色または透明度を設定するために変更することができます。
- より新しいバージョンの GTK (3.13.3 以降) では、これはユーザ固有の設定ファイルを通じて調整しなくてはなりません。Adwaita は今や Raleigh を置き換えるテーマとして GTK に含まれているため、ルールはユーザのホームディレクトリ内で設定しなくてはなりません。編集するファイルは ~/.config/gtk-3.0/gtk.css (必要であれば ~/.config/gtk-3.0/ ディレクトリを作成してください) で、変更はもう
@import
行を含みません。この例ではさらに、左側の Nemo サイドバーを灰色にしています:
.nemo-desktop.nemo-canvas-item {
color: #fff;
}
.nemo-desktop.nemo-canvas-item:selected {
background-color: alpha (#fff, 0.2);
}
NemoWindow .sidebar, NemoWindow .sidebar .view {
background-color: #444;
color: #eee; /* light grey */
}
Mint-X テーマ
Cinnamon にはデフォルトの Cinnamon テーマが付属しています。Mint-X テーマが GitHub 上でダウンロードできます。必要であれば、ダウンロードして、展開して、/usr/share/themes にコピーしてください。Cinnamon コントロールセンターで選択することができます。
テーマで遊ぶ
ほとんどすべてのテーマ設定が、テーマディレクトリ内の cinnamon.css ファイルで変更することができます。
例えば Cinnamon テーマを使う場合、これは /usr/share/themes ではなく /usr/share/cinnamon/theme 内にありますが、まずテーマのディレクトリをユーザの .themes サブディレクトリに、例えば other-cinnamon という名前コピーしてください。これは新しいテーマの名前になります:
root #
mkdir /home/ユーザ名/.themes/other-cinnamon
root #
cp -R /usr/share/cinnamon/theme /home/ユーザ名/.themes/other-cinnamon/cinnamon
root #
chown -R ユーザ名:ユーザ名 /home/ユーザ名/.themes/other-cinnamon
~/.themes/other-cinnamon/cinnamon/cinnamon.css を編集してください。変更の結果は、Cinnamon コントロールセンターで別のテーマを選択した後、変更しているテーマを再度選択することで、すぐに確認できます。
一般的なアプリケーションソフト
ターミナルエミュレータ
- lxde-base/lxterminal - 必要な依存がありません。
- x11-terms/xfce4-terminal - いくつかの依存を必要としますが、lxde-base/lxterminal よりも多機能です。
- x11-terms/gnome-terminal - このパッケージに対して
-nautilus
および-gnome-shell
USE フラグが設定されている場合、systemd を必要としません。
GNOME 内の定番ソフトウェア
Gnome 向けに構築された多くのアプリケーションも利用可能で、Cinnamon 上でも完璧に機能します:
- 標準的な電卓 (gnome-extra/gnome-calculator)
- 画面コピーユーティリティ (media-gfx/gnome-screenshot)
- 画像ビューワ (media-gfx/eog)
- PDF リーダ (app-text/evince)
- システムモニタ (gnome-extra/gnome-system-monitor)
- アーカイブマネージャ (app-arch/file-roller)
- ディスク書き込みソフト (app-cdr/brasero)
- テキストエディタ (app-editors/gedit)
root #
emerge --ask gnome-extra/gnome-calculator media-gfx/gnome-screenshot media-gfx/eog app-text/evince gnome-extra/gnome-system-monitor app-arch/file-roller app-cdr/brasero app-editors/gedit
GNOME に入っていないソフトウェア
以下も Cinnamon 上で完璧に動作します:
- PDF リーダ app-text/mupdf および app-text/qpdfview
- 軽量なテキストエディタ app-editors/leafpad
- mp3 および動画プレイヤ media-video/mpv および media-video/vlc
app-text/qpdfview と media-video/vlc は、GUI を得るためには qt5
USE フラグ付きでコンパイルしてください。
トラブルシューティング
問題が発生した場合、リアルタイムのエラーメッセージへのアクセスを得ることを試してください。これらは別の (仮想) ターミナル上かログファイルに表示するといいでしょう。メッセージが見つからない場合は、ディスプレイマネージャを通じてではなく、コマンドラインから Cinnamon を開始してみてください。または、/var/log/Xorg.0.log を見てみてください。
エラーまたは警告メッセージが Cinnamon をトラブルシュートするのに十分でない場合、より詳細な Xorg メッセージを得るために、--debug
パラメータを付けて開始してください:
exec cinnamon-session --debug
Cinnamon が起動できない場合、ホームディレクトリ内の .cinnamon を削除 (またはリネーム) するだけでは十分ではありません: X を再起動する前に、他の Cinnamon または Gnome の項目も削除 (またはリネーム) しなくてはなりません。これらは .cache、.config および .local XDG ディレクトリ内で見つかります。.gnome2 は全体を削除 (またはリネーム) することができます。
リフレッシュレート
~/.config/monitors.xml ファイルを介して、カスタムのリフレッシュレートを設定することができます。<rate>60</rate>
をお好みの設定で置き換えてください。
関連項目
- Desktop environment — Gentoo で利用可能なデスクトップ環境の一覧を提供します。
- Xfce — 高速で、かっこよく、ユーザフレンドリーであるように構築された、軽量なデスクトップ環境です。
- MATE — 「伝統的な」デスクトップ環境のルックアンドフィールを保つように設計された、GNOME 2 デスクトップ環境のフォークです。
- GNOME — a feature-rich desktop environment provided by the GNOME project.
- KDE — 人気のPlasmaデスクトップ環境を含む、豊富なアプリケーションを開発しているフリーソフトウェアコミュニティです。