よくある質問
emerge — configuration — ebuild repository — dispatch-conf
world file — USE flags — ebuilds — profiles
upgrades — using testing packages — binary packages
tools — gentoolkit — eselect
Portage FAQ — cheat sheet — FAQ
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この FAQ は Gentoo についてのよくある質問と、それに対する回答のコレクションです。
この文書は、いくつかのよくある問題に対するただのクイックリファレンスだということに注意してください。これらの質問の多くは、wiki 上のオフィシャルの Gentoo ドキュメントの中でより詳しく回答されています。
Gentoo と GNU/Linux の使い方をより広く知るためには、Gentoo のドキュメントをお読みください。Gentoo の主要なドキュメントは wiki 上とハンドブック内にあります。man ページ、info ページ、 /usr/share/doc/、上流のドキュメント等でもさらなる情報が見つかるかもしれません。また、多くのコマンドは
--help
または -h
スイッチに対応しています。これらの質問は、主に gentoo-dev メーリングリストと Internet Relay Chat (IRC) の Gentoo チャンネルから集められたものです。
パッケージマネージャに関するよくある質問については Portage FAQ も参照してください。ハンドブックにも FAQ の節があります。ドキュメンテーション wiki および wiki の編集に関するよくある質問については、wiki FAQ を参照してください。AMD64/FAQ、PPC/FAQ、MIPS/FAQ、そして Alpha/FAQ など、アーキテクチャ固有の FAQ もあります。
Gentoo が他のディストリビューションから突出している点を知るには、benefits of Gentoo を参照してください。一般的な使用方法についての情報は、チートシートを参照してください。wiki を編集して貢献することについての情報はヘルプページを参照してください。
Gentoo について
Gentoo Linux についての情報を提供する複数のページがあることに注意してください。公式ウェブサイトの about Gentoo や philosophy of Gentoo のページ、そして benefits of Gentoo の記事をお読みください。ハンドブックにも Gentoo についての節があります。
Gentooはどう発音するのか、そしてその意味は?
Gentoo (/ˈdʒɛntuː/) は "gen-too" と発音します ("Gentoo" の "g" は "gentle" のようにソフトな "g" です)。(訳注: カタカナでは「ジェントゥー」が近いでしょう。)
Gentoo Linux ディストリビューションの名前は、学名で Pygoscelis papua とも呼ばれるジェンツーペンギンから取られています。フォークランド諸島の住民によって、このペンギンにジェンツーという名前が与えられました。
Gentooらしさとは何か?
Gentoo は BSD ports に似た Portage と呼ばれるシステムを使用します。Portage はソフトウェアのインストール、メンテナンス、そして更新作業に強力な柔軟性を与えます。USE フラグによるコンパイル時オプションのサポート、条件付き依存解決、sandbox を介したソフトウェアの安全なインストール、システムプロファイルによるユースケースに適応したデフォルト設定、設定ファイルの保護、その他多くの機能を提供します。これらの機能がすべて組み合わさって Gentoo は、必要に応じてあらゆる特定用途に都合よく調整することもでき、それでいてデフォルト設定のままにしておけばシンプルで"まともなデフォルト"の環境を提供してくれる、非常に適応的なオペレーティングシステムとなっています。
デフォルトでは、Gentoo はユーザーが選択した構成と最適化設定に特化して、システムパッケージをソースコードからビルド (コンパイル) してインストールします。これらの設定の多くは、"コンパイル時"にしか利用できないものです。Gentoo は低レベルのパラメータ (コンパイラフラグ、アーキテクチャの選択、ベースサブシステムの選択等) について並外れて細かい制御を提供していて、必要に応じてシステム全体に対しても、個別のパッケージごとにでも設定できます。
Gentoo は、コアソフトウェア (システムソフトウェア) に関して多数の代替の選択肢を許しています。これにより、ユーザは自身の必要と好みに応じて簡単に Gentoo を適応させることができます。実際、ユーザはどのパッケージをインストールするかしないかを、ほとんど完全にコントロール出来ます。この点が、置き換えられない特定のサブシステムの周りに構築されていたりする、他の多くのディストリビューションとの主要な相違点です。Gentoo の柔軟性のために、Gentoo に「バリアント」「エディション」「フレーバー」などはありません。デフォルトのインストール状態からそれぞれのユースケースに合わせてすべてを適合させることができるため、その必要が無いのです。
コアソフトウェア、ターゲットアーキテクチャ、そして低レベルの最適化設定についてのカスタマイズ性の深さから、Gentoo はメタディストリビューションとも呼ばれます。
Gentoo は物事を可能な限り最も単純な方法で行うように努めており、Gentoo の中心的な原則と手続きは、少ない労力で簡単に理解し習得できます。Gentoo の使い方を習得するための比較的小さい投資によって、Unix (ライク) オペレーティングシステムを常用することになる人全員に、実りをもたらすことでしょう。Gentoo はその使い方を理解するために、ある程度ドキュメントの読み込みと多少の思考を必要とするかもしれませんが、それによって新規ユーザが得られる力による利益には目を見張るものがあります。
Gentoo はとてもアクティブに保守されており、ディストリビューション全体でローリングリリースと呼ばれる迅速な開発・配布方式を採用しています。新しい、更新されたパッケージは頻繁に Gentoo ebuild リポジトリに追加され、関連するパッチはすぐに適用され、ドキュメントは日々更新され、Portage の機能は頻繁に追加されます。リリースサイクルが速いことによって、質を犠牲にすることはありません: パッケージは testing ブランチ内で始まり、信頼できると証明された場合にのみ stable に移されます; 一般的に、移行期間の目安は 30 日未満です。
ローリングリリースを最新版と混同しないでください。Gentoo のアップデートは急速ではありますが、Gentoo は並外れた信頼性を備えた安定版のディストリビューションです。すべてのパッケージは完全にテストされ、高い水準を満たす必要があります。品質管理はプロジェクト全体の基礎として優先されています。
インストール
インストールプロセスの概要についてはインストールに関する記事を参照してください。
'-O9 -ffast-math -fomit-frame-pointer' の最適化をしていると、すべてがとても不安定です。どうしたらいいですか?
Portage は CFLAGS/CXXFLAGS の設定に従って特定のプロセッサ向けにコンパイルを最適化しますが、プロセッサに対して決められているデフォルト以外に設定することは、問題を引き起こすどころか、パフォーマンスの低下を招くことさえあります。Gentoo のアーキテクチャは低レベルの最適化を行うのに適しているとはいえ、Gentoo プロジェクトのゴールはそれに限定されたことはありません。
CFLAGS を設定する必要がある場合は常にパッケージ単位で行うべきであり、システム全体でデフォルト設定を上回る最適化を行うことは推奨されません。
-O2
は、いつでも機能すると言える最高の最適化レベルです。-O3
より高いレベルの最適化は、現行のバージョンの GCC ではサポートされていません。過剰に積極的な最適化は、コンパイラがアセンブリコードを元と同じ動作をしなくなるレベルまで最適化してしまうことの原因となることがあります。
バグレポートをする前にCFLAGSやCXXFLAGSに-O2 -march=native
をセットしてコンパイルすることを試してください。
さらなる詳細については GCC の最適化の記事をお読みください。
どうすればroot (または他のユーザの)パスワードを変更できますか?
passwdコマンドを使って、現在ログインしているユーザのパスワードを変更することが出来ます。rootユーザであれば、passwd usernameコマンドで他のユーザのパスワードも変更が出来ます。他のオプションや設定についてはpasswdのmanページ(passwd(1))を見てください。
一般ユーザを追加するにはどうすればいいですか?
useradd larryコマンドでは"larry"というユーザが追加されます。しかし、この方法では、システムで適切に働くために、そのユーザに与えるべきいくつかの権限が与えられません。そのため、以下のコマンドの方が好ましいでしょう。
root #
useradd -m -G users,audio,wheel larry
これは "larry" というユーザを追加します。-m
オプションはホームディレクトリを作成します。-G
オプションはユーザーを指定されたグループに追加します:
users
はシステムのインタラクティブユーザにとって標準のグループです。audio
グループのユーザにはサウンドデバイスへのアクセスが許可されます。wheel
グループのユーザには su コマンドの実行が許可され、これにより (root のパスワードを知っていれば)root
権限を得ることができるようになります。
なぜ一般ユーザは root に su 出来ないのですか?
セキュリティの観点から、ユーザが wheel グループに所属していた場合のみ root に su 出来ます。larry を wheel グループに追加するためには、以下のコマンドを root ユーザとして実行してください。
root #
gpasswd -a larry wheel
Gentooをあるリリースから次のリリースに再インストールせずにアップグレード出来ますか?
Gentoo にリリースというものはなく、パッケージは継続的に更新されます。Gentoo はローリングリリースディストリビューションなのです (「最前線」と混同しないでください - Gentoo はデフォルトで安定版です)。
Gentoo のパッケージは日々更新されます。重要なコアパッケージが更新されることもあれば、新しいプロファイルが導入されることもありますが、バージョン、リリース、エディション、バリアントと呼べるような特別なイベントは発生しません。システムをアップグレードするたびに、すべてが「最新」の状態になります。
よく保守され、定期的に更新されているシステムであれば、再インストールが必要になることはまずないでしょう。
Gentoo は、セキュリティ上の理由のため、そしてシステムアップデート作業が複雑になるのを防ぐため、定期的にアップデートするべきです (毎日あるいは数日おきに更新することは何もおかしくありません)。システムをきれいに保つ方法については、Gentoo アップグレードガイドをお読みください。
Gentoo はインストールとアップデートのために、十分に安定したインターネット接続とディスク容量を必要とします。
重要な変更についての情報は、Release Engineering Project ページ、gentoo-announce メーリングリスト、そして Gentoo ebuild リポジトリニュースアイテムで提供されます。
カーネルがブートしません。何をするべきでしょうか?
インストールのすべてのステップをやり直す必要はありません。しかし、カーネルとそれに関連するステップを調査することが必要です。Gentoo を、/dev/sda1 が /boot、/dev/sda3 が rootfs (/)、そして /dev/sda2 がスワップ領域というパーティションスキームでインストールしたと仮定します。
live 環境からブートして、スーパーユーザ特権に昇格してください (ファイルシステムをマウントするのに必要です)。
最初にすべてのパーティションを mount します:
root #
mount /dev/sda3 /mnt/gentoo # rootfs (/) をマウントする
root #
mount /dev/sda1 /mnt/gentoo/boot # ブートパーティションをマウントする
root #
swapon /dev/sda2 # スワップを有効化する
root #
mount --types proc /proc /mnt/gentoo/proc # 仮想ファイルシステムをマウントする
root #
mount --rbind /sys /mnt/gentoo/sys
root #
mount --make-rslave /mnt/gentoo/sys
root #
mount --rbind /dev /mnt/gentoo/dev
root #
mount --make-rslave /mnt/gentoo/dev
root #
mount --bind /run /mnt/gentoo/run
root #
mount --make-slave /mnt/gentoo/run
その後、Gentooの環境にchrootし、カーネルの設定をします:
root #
chroot /mnt/gentoo /bin/bash
root #
env-update && source /etc/profile
root #
cd /usr/src/linux
root #
make menuconfig
前回間違って設定した(しなかった)ものを修正して、カーネルを再コンパイルして、再インストールします:
root #
make $(portageq envvar MAKEOPTS) && make install modules_install
もし LILO が使われているなら、lilo を実行しなおします。GRUB ユーザーは次の手順に進んでください:
root #
/sbin/lilo
chrootを抜けてシステムを再起動します。
root #
exit
root #
umount -l /mnt/gentoo/dev /mnt/gentoo/sys
root #
umount /mnt/gentoo/proc /mnt/gentoo/boot /mnt/gentoo
root #
reboot # systemd ユーザは systemctl reboot
さらなる詳細についてはナレッジベースの この記事を参照してください。
もしこれに反して、問題がブートローダーの設定にあるならば、同じ方法に従ってください。ただし、カーネルを設定してコンパイルする代わりに、ブートローダーを再設定してください(通常ブートローダーの再コンパイルは必要ありません)。
私の使っているプロキシでは認証が必要です。どうしたらいいですか?
Portageが自動的にその方法を使えるように、/etc/portage/make.confに設定します:
http_proxy="http://username:password@yourproxybox.org:portnumber"
ftp_proxy="ftp://username:password@yourproxybox.org:portnumber"
RSYNC_PROXY="rsync://username:password@yourproxybox.server:portnumber"
なお、プロキシサーバーは rsync で使うポートに対する CONNECT をサポートしている必要があります。
構成ファイル内にパスワードを置くリスクについて知っておいてください。一般的に言ってこれは悪い慣例であり、状況によってはセキュリティ上の重大な問題となりえます。より安全な他の方法を使用することを推奨します。
ISOファイルをディスクに書き込むには?
すでに動作している Gentoo マシンから光学ディスクを作成するためのアプリケーションについては、おすすめの GUI ライティングソフトを参照してください。Gentoo のコマンドラインからの光学メディア書き込みについての情報は、CD/DVD/BD writing の記事を参照してください (記事は現時点で iso の書き込みについて取り上げていません)。
この節では ISO ファイルを光学メディアに書き込むことについて扱っています - ISO ファイルをブータブルメディアとして USB ストレージデバイスに書き込むことに関する情報は、LiveUSB の記事を参照してください。
ISOファイルはCD全体を表すものです。このためCDにISOファイルをそのまま置くのではなく、ディスクイメージとしてCDに書き込む必要があります。
ISO ファイルからディスクを作成するための光学メディア書き込みツールは、たくさん存在します。以下は、各プラットフォームごとの有名なツールの抜粋と、その使い方の簡単な説明です:
- With EasyCD Creator, on MS Windows: select File, Record CD from CD image. Then change the Files of type to ISO image file. Then locate the ISO file and click Open. After clicking Start recording the ISO image will be burned correctly onto the CD/DVD.
- With Nero Burning ROM, on MS Windows: cancel the wizard which automatically pops up and select Burn Image from the File menu. Select the image to burn and click Open. Now click the Burn button and watch the brand new Gentoo Live CD being burnt.
- cdrecord (Linux を含むマルチプラットフォームのプロジェクト cdrtools (app-cdr/cdrtools) の一部です) を使用する場合: 単純に cdrecord dev=/dev/cdrom (/dev/cdrom を CDROM ドライブのデバイスパスに置き換えてください) と打ち、その後に ISO ファイルへのパスを続けて打ってください。
- With K3B, on Unix(like) OSs: select Tools → Burn Image. Then locate the ISO file within the 'Image to Burn' area, and select the target medium within the 'Burn Medium' area. Click Start to begin the burn process.
- With Mac OS X Panther, and later, launch Disk Utility from Applications/Utilities, select Open from the Images menu, select the mounted disk image in the main window and select Burn in the Images menu.
私の CPU ではどの ISO や stage ファイルを使えばいいですか?
まず最初に Gentoo をインストールしようとしているシステムでどのような CPU が使われているか調べます (たとえば Pentium-M など)。次に、適切な Gentoo の ISO や stage を見つけるために、その CPU と (命令の点で) 互換性がある CPU タイプを探してください。CPU ベンダーのウェブサイトを探せばこの情報はたいてい見つかりますが、普通は一般的に使われているサーチエンジンで検索した方がより効率的です。
確信が持てなければ、i686 や generic x86 (またはそのシステムのアーキテクチャでこれに相当するもの)のような"より低レベルの" ISO または stage ファイルを使ってください。これでシステムは確実に動作しますが、より最適化されたものほど高速ではないかもしれません。
Gentoo がバイナリステージをビルドする対象としているもの以外にも数多くのオプションが存在することに注意してください。-march
フラグの設定については GCC guide を見てください。
ハンドブックには正しい stage ファイルを選択するための、そして正しいインストールメディアを選択するためのより詳しい情報があります。
再起動したらインターネットに接続できなくなりました
まずは、標準的なトラブルシューティングに従ってください (ケーブルはどうか、ルータが動作しているか等)。
ネットワークカードがカーネルに正しく認識されているか確認してください。ip link を実行して、eth0、eno1、enp2s0、enp0s8 や (無線 LAN の場合) wlan0、wlp5s6 といった名前を探してみてください。ネットワークカードをカーネルに認識させるためにカーネルモジュールを読み込ませる必要があるかもしれません。この場合、/etc/modules-load.d 内の名前が .conf
で終わるファイルにそのモジュールを記載してください。
もしお使いのネットワークカードのサポートをカーネルに組み込み忘れたなら、カーネルの再設定と、場合によっては再コンパイルが必要です。
ネットワークカードは正しく認識されていて、DHCPを使うように設定していたのであれば、DHCPクライアントがインストールされていないのかもしれません。Gentooでは様々なDHCPクライアントを利用できますが、よく使われるのはdhcpcdです。もしインターネットに接続する必要があれば、インストールCDで起動し直して net-misc/dhcpcd をインストールします。
インストールCDでシステムを復旧する方法はここに書かれています。
ハンドブックにはネットワーク設定についての情報があり、一方 wiki にはEthernet、WiFi、そしてネットワーク管理についての情報があります。
Windowsや他のオペレーティングシステムとデュアルブートできますか?
はい!多分、GRUB を sys-boot/os-prober と一緒にインストールする方法が最速です。これについては GRUB のページや、特に GRUB を用いたデュアルブートについてはこのページを読んでください。
GRUB LegacyやLILOからWindowsを起動しようとすると、真っ黒の画面しか表示されません。どうしたらいいですか?
それは GRUB Legacy や LILO といった古いブートローダーによくある問題かもしれません。Windows は最初のハードディスク以外からの起動を拒否し、真っ黒の画面を表示することがあります。この場合、Windows が最初のハードディスクにインストールされているのだと、Windows に思い込ませる必要があります。これにはブートローダーの設定を変更します。以下のサンプルでは Gentoo が /dev/sda (一番目のディスク) に、Windows が /dev/sdb (二番目) にインストールされているものとするので、適宜読み替えてください。
title Windows XP
map (hd1) (hd0)
map (hd0) (hd1)
rootnoverify (hd1,0)
chainloader +1
上記の設定例は GRUB Legacy のものであって、GRUB2 のものではありません。GRUB を用いて Windows とデュアルブートする方法については GRUB のページを参照してください。
other=/dev/sdb1
label=WindowsXP
table=/dev/sdb
map-drive = 0x80
to = 0x81
map-drive = 0x81
to = 0x80
これでWindowsは自分が最初のドライブにインストールされていると信じ、正常に起動するはずです。さらなる情報はお使いのブートローダーに応じて、公式のGRUB ドキュメントやman lilo.confで得ることができます。
Gentoo を stage1 や stage2 ファイルからインストールするには?
Gentoo ハンドブックでは stage3 ファイルを使用した Gentoo のインストールのみを説明しています。stage1 や stage2 のファイルは開発のためだけに存在するもの (Release Engineering チームは stage3 を得るために stage1 ファイルから開始しています) であり、ユーザーは使用すべきではありません: stage3 ファイルはシステムのブートストラップにもしっかり使えます。インターネット接続が動作している必要があります。
ブートストラップとは、すべてのコアシステムパッケージをインストールした後にそのシステム用のツールチェーン(C ライブラリーとコンパイラー)をビルドすることを指します。システムをブートストラップするには stage3 インストールを実行します。カーネルの設定 の章を始める前に、 bootstrap.sh スクリプトをそれぞれの必要に応じて編集する必要があるかもしれません:
root #
cd /var/db/repos/gentoo/scripts
root #
vi bootstrap.sh
変更した後は、スクリプトを実行しましょう。
root #
./bootstrap.sh
次に、新しくビルドされたツールチェーンを使ってすべてのコアシステムパッケージを再ビルドします。これらは stage3 ファイルで既に提供されているため再ビルドする必要があります:
root #
emerge -e @system
それでは "カーネルの設定" に移りましょう。
パッケージ管理
パッケージはどのような形で保存されますか?
パッケージは、それ自体が「保存されている」訳ではありません。その代わり、Gentooでは、依存関係を解決し、ソースコードをフェッチし、そしてユーザの必要に合わせたバージョンをコンパイルする一連のスクリプトが提供されます。一般的にGentooでは、リリースやスナップショットのためだけにバイナリがビルドされます。Gentoo開発者マニュアルでは、ebuildスクリプトについての詳細が載せられています。
完全なISOリリースのために、バイナリパッケージ一式が、強化された.tbz2フォーマットで生成できます。これは.tar.bz2互換で、ファイルの最後にメタ情報が付け足されています。これらを使用することで、パッケージの(完全には最適化されていないが)動作するバージョンを、素早く効率的にインストールすることができます。
RPM(Red Hatパッケージ管理ファイル)をGentooのPortageを用いて作成することは可能ですが、現在パッケージをインストールするために既存のRPMを使うことはできません。
自分で./configureを行うことはできますか?
はい、しかしそれは些細なことではありませんし、お勧めできません。これを行うにはPortageの内部やコマンドの十分な知識が必要ですので、その代わり、やりたいことを行うためにebuildにパッチを当て、Portageのoverlayに置くことが推奨されています(これがoverlayが存在する理由です)。これの方が、保守性において遥かに優れていますし、通常ならばより簡単です。さらなる情報についてはGentoo開発者マニュアルを参照してください。
rsyncが使えないときはどうしたらいいですか?
もしポート 873 を使う rsync の通信を通さないファイアウォールの後ろにいるなら、一般的な HTTP で Portage スナップショットを取得する emerge-webrsync を使うとよいでしょう。プロキシ経由でソースファイルや Portage スナップショットを取得する方法はこのセクションに書かれています。
自宅ではろくなインターネット回線が使えません。別の場所でソースをダウンロードしておいて使うことはできますか?
パッケージを手動でダウンロードして、インストールのための適切な場所にコピーすれば可能ではありますが、これはとても面倒な作業かもしれません。
まず、emerge --pretend package/atomでどのプログラムがインストールされようとしているかを確認します。これらのパッケージのソースをどこからダウンロードしたらいいかはemerge -fp package/atomで調べられます。ソースをダウンロードして適当なメディアで持ち帰ったら、そのファイルを/var/cache/distfiles/に置き、あとはemerge packageを実行するだけです。
ソースの distfile が /var/cache/distfiles/ に溜まっていますが、これは削除しても大丈夫ですか?
これらのファイルを削除することによる、日々のパフォーマンスへの悪影響はないでしょう。しかし、最新のバージョンのファイルはそのままにしておくのが賢明かもしれません。しばしばある同じバージョンの特定のソフトウェアに対し、複数のebuildがリリースされるからです。もしアーカイブが削除され、ソフトウェアがアップグレードされるか再ビルドされる時、再度インターネットからファイルをダウンロードすることが必要になるでしょう。
/var/cache/distfiles/ などの中身を管理するために、app-portage/gentoolkit にある eclean スクリプトを使用してください。使用方法について知るには、eclean(1) man ページや Gentoolkit のページを読んでください。
/var/tmp/portageにはなにが置かれるのですか?この中身を消しても大丈夫ですか?
コンパイル時に、Gentooはパッケージのソースを/var/tmp/portage(あるいはもしデフォルト値が変更された場合、$PORTAGE_TMPDIR/portage)に保存します。これらのファイルやフォルダは通常emergeが成功すると削除されますが、時々削除されない場合があります。もしemergeコマンドが実行されていないならば、このディレクトリの中のすべての内容は削除しても大丈夫です。このディレクトリを空にする前に、必ず常にpgrep emergeを実行するようにしてください。
使い方
どうすれば国際化キーボードレイアウトが使えますか?
/etc/conf.d/keymaps にある keymap 変数を編集してください。コンソール上でキーマップの拡張文字が正しく動作するためには、/etc/conf.d/consolefont ファイルにある consolefont や consoletransation 変数を設定する必要があるかもしれません (環境の地域化に関してのさらなる情報は、地域化ガイドを参照してください)。そして、reboot をするか、keymaps と consolefont スクリプトを再スタートしてください。
root #
/etc/init.d/keymaps restart
root #
/etc/init.d/consolefont restart
さらなる情報についてはキーボードレイアウトの切替えをお読みください。
DNS名前解決がrootでしか動きません
/etc/resolv.confのパーミッション設定が間違っています。次のように修正してください:
root #
chmod 0644 /etc/resolv.conf
resolv.conf もお読みください。
どうして私のユーザは自身のcrontabを使用できないのですか?
ユーザーをcronグループに追加してください。
root #
gpasswd -a <username> cron
起動時に NumLock が自動でオンになるようにするには?
以下のコマンドはnumlockサービスを default 欄レベルに追加し、起動時にnumlockを有効にします。
root #
rc-update add numlock default
root #
/etc/init.d/numlock start
GUIツールに関しては、それぞれがこのような種のツールを提供しています。これ以上のヘルプに関しては、使用しているGUIツールのヘルプセクションやオンラインマニュアルを確認してください。
ログアウトした時にターミナルをクリーンするにはどうすればいいですか?
ターミナルをクリーンするには、clearコマンドをユーザの~/.bash_logoutスクリプトに追加してください:
user $
echo clear >> ~/.bash_logout
新規ユーザを追加した時に自動的にこれを行うには、同じことを/etc/skel/.bash_logoutファイルに行ってください:
root #
echo clear >> /etc/skel/.bash_logout
開発
バグ報告の方法は?
Bugzillaのサイトを利用してバグを報告してください。もし問題が本当にバグか確かでないなら、Libera.Chat IRCネットワークの#gentoo (webchat)を訪ね、質問してください。
wiki 上にバグ報告に関するガイドがいくつかあります: Bugzilla/バグ報告ガイドと Bugzilla/Guide です。support の記事も参照してください。
どのくらいの頻度で新しいリリースが作成されますか?
Gentoo のパッケージは通常、上流の開発者が新しいコードをリリースしたあとすぐにアップデートされます。さらなる情報に関してはこのセクションを見てください。
Gentoo Linux への重要な変更についての情報は、Release Engineering Project ページ、gentoo-announce メーリングリスト、そして Gentoo ebuild リポジトリニュースアイテムで提供されます。
この節で説明しているリリースはパッケージのリリースのことです。Gentoo それ自体はローリングリリースモデルに従い、リリースというものを持ちません。Gentoo らしさとは何か? の節を参照してください。
私のスピーカが狂ったようにビープを鳴らします。どのようにしてコンソールビープを無効にできますか?
コンソールビープはsettermを使用することで消すことができます、このようにしてください:
root #
setterm -blength 0
起動時にコンソールビープを無効にするには、以下のコマンドを/etc/conf.d/local.startファイルに追加してください。しかしながら、これは現在のターミナルのビープのみを無効にします。他のターミナルのビープを無効にするには、コマンドの出力を、無効にしたいターミナルにパイプで繋げます、このようにしてください:
root #
setterm -blength 0 > /dev/vc/1
/dev/vc/1を、コンソールビープを無効にする必要があるターミナルに置き換えてください。
さらなる情報に関しては、この記事を参照してください。
トリビア
どうして'e'の文字が多くのGentoo特有のツールや機能にあるのですか?
'e' が使われるようになったのは、Gentoo が当初 Enoch Linux として始まったからです。このため多くの Gentoo のツールや関数名が接頭辞 'e' を維持しています。
Daniel Robbins (Daniel Robbins) からの引用です:"I think the 'e' likely came from enoch, and was picked as a single-character prefix in the vein of the 'iMac', which was initially released in August 1998. Enoch began in early 1999. (私は'e'がenochから来たのだと思います、そして、1998年8月に初リリースされた'iMac'と同じように、1文字の接頭辞として選ばれました。Enochは1999年初めに始動しました。)(https://www.funtoo.org/Funtoo_Linux_History を見てください)"
資料
Gentoo Linux の CD や DVD リリースを買うことができますか?
ほとんどのストアは CD や DVD の提供を取りやめてしまいました。Gentoo ISO のリリースウィンドウの短さと、技術の進歩 (特に大衆向けインターネットの帯域増加) から、これらのインストールメディアの配布形態は今や歴史上の存在です。ブート可能メディアはミラーからすぐに入手可能で、ミラーにはダウンロードページからアクセスできます。
ライセンスを受けてその他の商品を販売するストアの一覧は、stores pageにあります。
このFAQには私の質問の答えがありません。どうすればいいですか?
最初のステップは、Gentoo wiki、man ページ、Info、/usr/share/doc/ などの関係するドキュメントにざっと目を通すことです。多くのコマンドは --help または -h スイッチをサポートしています。
Gentoo Linux の様々なメーリングリストやフォーラムも助けになるかもしれません。IRC 上の Gentoo コミュニティに質問を投げることもできます - Libera.Chat の #gentoo (webchat) IRC のチャンネルで直接質問してください。
Gentoo バグ追跡システムは多くの問題についての情報を含んでいます。ウェブ検索は疑問に関して良い結果を返してくれるかもしれません。特定のパッケージに問題を抱えている場合は、上流のドキュメントを確認してください。
See the support article if having a particular issue.
This page is based on a document formerly found on our main website gentoo.org.
The following people contributed to the original document: Daniel Robbins (Daniel Robbins) , Colin Morey, John P. Davis, Eric Stockbridge, Stoyan Zhekov, Carl Anderson, Jorge Paulo, Benny Chuang, Jonathan Smith,
They are listed here because wiki history does not allow for any external attribution. If you edit the wiki article, please do not add yourself here; your contributions are recorded on each article's associated history page.